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[189] チョコレートドーナツ
投稿者:土井一真 Mail

結局、マルコは育児放棄をする母親の元へと渡された後、ここは「おうちじゃない、おうちじゃない。」と言います。マルコが何を言っても誰も聞いてくれません。マルコは、「おうち」を探して母親の元を離れて彷徨い歩きます。そしてそのまま命を落とします。マルコの悲惨を新聞記事によって知ったポールは、裁判の関係者に事実を記した手紙を送ります。不謹慎な態度しか見せなかった法律家たちは、ポールの手紙を読んで自分の仕事の非情を知ります。感情はあっても、そうする事しか出来なかったのであり、判決は至極当然のものだったので、誰も悪くないのが現実です。差別は差別ではなく、偏見もなかったのです。誰もが、マルコを守る事は出来なかったのです。正しい とされている通りに事を進めたのに、ダウン症の子供の命を守れませんでした。嵐から守る盾になるルディの意思が無残に潰えました。
途中、ポールが感情的に「背が低くて太った知的障害児を引き取る人なんてだれもいない。自分たちを除いては。私たちには必要なんです。」と訴えるシーンがあります。理屈屋のポールが、感情的に言う台詞が印象深いです。受け入れがたい現実を受け入れなければ生きていけない社会が寂しいと思えます。ハッピーエンドではないけれど、幸せはたくさん描かれてあります。寂しさがあるから幸せの引き立つ素晴らしい映画でした。

2017/02/09 12:00
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